フェアリーロード2014『巡るの森』森の妖精と祝う冬至祭

Client: 星野リゾート奥入瀬渓流ホテル
agency: 十和田市現代美術館

AD/D: 字と図

Planning: 字と図

Naming Copy: 字と図
Wood work: 大工の水尻さん

Photograph: 公文 健太郎(@hotel)、写真のオクヤマ(@美術館)、字と図


ホテル内イベントの企画とアートディレクションと展示。



奥入瀬渓流ホテルは、星野リゾートの中でも異色の部類に入るホテルだと思う。

日本国内でも有数の大自然、奥入瀬渓流のほとりに佇む。
この渓流沿いに面しているホテルはここにしかない。

自然環境に恵まれ、夏季は、たくさんのアクティビティがある。一方、冬季は厳冬という言葉のままになる。

雪に阻まれ、ホテルも休館になる。

それまでの最後のひとつき。めいいっぱいの冬を楽しむための企画を担当することになった。

地方では、現代美術館が、代理店の機能を担い、ホテルから要望に移住してきたばかりの私たち(字と図)を推薦してくれた。

これまでの4年間をスタッフで温め育ててきた企画が、次のフェーズに向かうタイミングであった。

受け継ぎつつ、発展するためのアイデアと企画をすることになった。



a・なかなか屋外に出ない客足を、外に出すための装置

b・冬季の少ないアクティビティに添える館内展示

この2つが、字と図のミッションになった。



aをフェアリーオーナメントと命名。(これまでの呼び名に使われていたフェアリーをそのまま残して使うことにした)

この奥入瀬の辺りにある森の庭には、まさしく妖精が住んでいると思う。移り変わる季節を創りだし、動物を癒してくれる。

その妖精の道は、これまでもランタンを携えて、ほとりを散歩するアイデアの企画だった。

ランタンの瞬きは、生命力のある緑によく似合う。

私たちはそれをさらに発展させた。森を一つの大きなツリーと見立てて、ランタンでおおきなオーナメントを形作ることで、

ツリーを華やかに彩る企画を考案した。



オーナメントの形は、あらかじめこちらでフォーマットした。

ホテルに訪れた旅客たちは、ランタンを片手に夜のとばりを歩き、所定の形の中から好きなオーナメント型を選び、そのシルエットの中にランタンを置く。

その姿は、室内からも俯瞰で見れた。

ホタルの光のような揺らぎに誘われて、森に降りて来る客もいる。



bはフェアリーリースと命名した。

こちらは、ホテル館内に作られたホワイトキューブ内の展示である。

ホワイトキューブは、街中の現代美術館の飛び石のようなスペースである。

年に数回、展示内容が変わる。



この季節は、フェアリーオーナメントと共鳴するような展示にすることにした。

冬を祝う『冬至祭』をテーマにした。

キューブ内に輪を吊るし、その輪に各々のメッセージを書いたメッセージカードを結ぶ。

たくさんのメッセージカードが吊るされることで、一つの大きなリースが完成される。そういう仕組みにした。



このメッセージカードも妖精をかたどった。



冬至に書きとめたメッセージカードが、妖精によって夏至に届く。

その仕組みも、キューブのオーナメントも、壁面にかけた木の額装も、配置した石や枝も、

全てサークル(輪)がテーマになっている。



この段落をまたいで、上部がホテルでの展示。下部が美術館での展示の様子になっている。

ホテルの休館時に美術館へ移動した。

十和田市現代美術館

十和田市現代美術館


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『サークル』というテーマで一貫したものづくりを思いついた際、木のフレームを大工の水尻さんに相談した。工房とたくさんの材料を持ち、卓越した技能を持つ大工さんのおかげで、想像以上の展示空間を作り出すことができた。この場を借りて御礼申し上げたい。また、美術館展示の際、撮影をしてくれた写真のオクヤマ和田聖子さんにも大変お世話になりました。同じく、俺を申し上げます。

プロフェッショナルの力なくして、アートディレクションは成り立たないと痛感したプロジェクトでした。

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