【特殊印刷】印字面だけが透明化する名刺デザインの作り方/パチカ(後編)


 

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コレ、パチカに押す用の銅版です
前回のつづきです。

 

〓 『熱・空押し加工』の立ち会い

この日を楽しみにしていました。

ぜひ、印刷の立ち会いをしたい旨をお伝えしたところ、
コスモテック青木さんが快諾してくれました。

 

クライアントのフラッグシップ神馬さんもぜひ立ち会いたいということで、
一緒に立ち会う事にしました。

現場をみることでプロセスや仕組みがすんなり理解できるようになりますから、
今後の仕事に活かすためにも

デザイナーの人は、なるべく自分の眼でみることを強くオススメします。

 

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さて、機械と紙の位置を合わせます。

 

 

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化粧裁ちしてないこういう状態のモノってレアな感じがしてつい嬉しくなってしまうのは職業病ですね、サガです。
これが試し刷り第一号。
どうでしょう。

熱で押しますので、紙も温かいです。できたてホヤホヤ。
押す(紙にあてている)時間によって紙が溶け過ぎて突き抜けてしまったり、
反対に透かし具合が少なかったりするわけです。

この辺りのさじ加減が、技術の賜物

であったりします。

 

触っている分には分かりづらいのですが、
このパチカという紙の中にはペット素材(ポリプロピレン)が配合されているため、

その部分が溶けて薄くなることで、透ける効果が生まれるわけですね。

 

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パチカの位置合わせが終わりましたので、
次は、もうひとつの紙、OKフロートの位置調整をします。

 

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2種の試し刷りが出揃いました。

こちらが、2つの比較。

どうです?

同じ条件下で、同じ銅版で押しているのに、

エッジの立ち具合がぜんぜん違うんですね。

これがこれらの紙の持つ特性とも言えるのではないでしょうか。

パチカの方がエッジに丸みが出きて、生クリームみたいな仕上がりですね。

一方、ブルーグレーのOKフロートは、すっきりくっきりと印字されていて、清潔で高貴で頭のよさそうな仕上がりになっています。

フォーマルな場面で使うならコチラの方が適しているかもしれません。
また、外見的な違いとしては、OKフロートは、よく見ると、紙自体にチリ模様が入っていますね。

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実は、この2つの紙、同じ素材でできているんです。

ただ含まれるペット(ポリプロピレン)の

配合率が違うだけ。

それだけで、全く異なった風合いの紙ができるわけですから、なんとも面白いものです。

 

さらに上の写真を見てもらうと分かるように、
どれぐらい光を透過するか(つまりどれだけ透けるか)というと一目瞭然です。

 

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仕上がりを確認中のFLAGSHIP神馬さん。

透けてます。
そして、思わず笑みがこぼれます。

 

OKの確認をとりまして、無事立ち会い終了です。
あとは1枚ずつプレスしていただき、後日納品しておしまいです。

 

なんとも、楽しいお仕事でした。
ありがとうございました。

 

 

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横に置いてある機械に眼がうつります。ハイデルベルグ社製の年期の入った箔押し機です。名刺よりも大きなサイズの時に使うようです。

〓 おまけ

 

この後、クライアントのFLAGSHIPさんからは、

ものすごい反響です!

と、うれしいお知らせが何度もありました。

 

また、名刺を手にとった方から、実際に

『私もお願いしたい!』

という依頼も数件ありました。

 

また、パチカとOKフロートの2つのうち、名刺を受け取った方の反響が最も強かったのは…

圧倒的にパチカ

だったそうです。

やはり、透けるインパクトには敵わないようです。

 

製作者的には、OKフロートが水色系の紙だったからのような気がしています…
同じ白モノ同士の対決だったら、結果が変わっていたかも知れません。
また名刺交換をした方の年齢層や職種にも影響しているかもしれませんね。

 

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デザインの引き出し5』に掲載されているのを発見しました。
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