ツイッター上でバズっていたので、
やや長文だけども、記事を読んでみた。
美術館という内容にも惹かれた。
現役の(日本の)美術館「学芸員」(42歳)という立場から書いてみました。わりと踏み込んでかいたつもりなので、いろんな反応(反響?)があるといいな。
— kenjiro hosaka (@kenjirohosaka) August 18, 2018
シリーズ:これからの美術館を考える(4) 「学芸員」という概念を解体しよう|美術手帖 https://t.co/NntW5AOoMO
ほさか けんじろうさんが、
学芸員という1つの職種がこなさなければならない、今の状況について、とうとうと説いている。
**その役割が多岐にわたる**こと、マンパワーも、お金も、組織も、なにもかもお粗末な状況で、やってるねん!という現在の日本の状況をさらけ出している。
42歳という、著者のキャリアにも、自分を重ねてしまったが、
これは、**全く[デザイナー]も同じだ!**と共感してしまった。
やる仕事の領域というか幅が、年々増えているのである。
この業界に入ったばかりの新米の頃、駆け出しの僕が担っていた仕事は限られていたし(新人アシスタントにできることだからでもあるが)、**もっと業界内の仕事が細分化されていた。**
そもそも欧米のやり方を真似て、輸入された仕事だから、
プロの仕事が細分化したまま入ってきているはずなのだが、
現代では、なんか知らないうちに、そのほとんどが、
**デザイナーという職種にまとめられてしまっている**感じが、否めない。
1. 手作業だったものが → ?コンピュータに。という功罪もあるが、
2. インターネットの普及。
3. オペレーター(デザイナーが指定したフォーマットに沿って制作してくれる人。ページが多い場合などは分担して進めてくれる作業のプロ)
4. 出力屋さん(当時はパソコンやプリンタの性能が低かったため、プリントアウトだけを専門にしてくれる会社があった)
5. バイク便(出力したカンプやら赤字原稿を届けてくれる人)
6. 版下屋さん(写植屋とも兼務され、原稿を作ってくれる。または原稿に貼り付ける素材を用意してくれる人)
7. 現像屋さん(写真のネガ、ポジからプリント)
8. 校正屋さん(チェックする人)
ざっと思い浮かべるだけでも、これだけの人がチームになってものづくりしていた。
けれども、現在は、ほぼ一人でこなせる。
テクノロジーの進化や、
やりとりのマナーや作法が変わったこと(メールなどの連絡ツールの変化)
ひととおりの作業環境コストが下がったこと(Macやプリンターの値段)
経験値が増えたこと(引き出しの数と対応力)
こなす必要がないものは、**予算とともに、カット**されて存在しなくなった。
景気に作用されていることも多いと思う。
上で述べた職業が、全て失われたわけではないが、
この中で潤沢な売り上げを伸ばして成長している職業というのは、
ほぼ聞いたことがない。
そして、問題は、
**応急処置的**になってしまうが、
本来デザイナーが担う**役割以外の業務**を行うためには、
その**作業に必要な時間に対するフィーが必要**なのである。
今のところ、お金以外?に解決する方法がない。
逆をいうと、納得するためにいただくほかないのである。
**まずは金**を。
この学芸員の問題も、まずは、人を雇うための構造を作るために、
お金を捻出できる美術館にしないと、一向に解決の日差しが見えないと思う。