雑記

三國万里子さんの編み物ももちろん、エッセイも面白い

三國万里子さんを知ったのは、第2子の出産後、子供がそのまま入院することになり、時間を持て余していた時に「編み物がしたい」と思って購入したのこちらの本がきっかけでした。

入院した子供に会えない時間を、レッグウォーマーなどを編んで潰しました。 編みごたえもあって(難しかった)、辛いことを忘れさせてくれました。 ちなみにこのベストは、10年経った今でも着ています。 そしてこのクッキー本。

このクッキーが本当に簡単で、美味しくて、子どもが小さい頃に一緒に作ってよく食べていたものです。 このクッキー本のなかしましほさんと、三國さんが姉妹だということがわかり、メディアにも徐々に登場するようになりました。   三國さんが、同年代で、古着好き、お子さんもいるという共通点を知り、親近感を持っていきます。   そこに出てきたのが、こちらのエッセイ本です。

この本は三國さんがイギリス各地の編み物聖地を巡る旅行記で、編み図は少ないのですが、非常に読み応えのある本です。 旅先で会うニッターたちと話し、三國さんが感じたことを綴っています。 機械織もありますが、ほとんどのニッターは編み上がるまでの時間や手間を知っています。 そんな「ファストファッション」の対極にあるニッターたちの言葉が胸に刺さるのです。  

字子さん
字子さん

私自身、編み物をすると、完成までの時間が長くて驚きます。

編んでいる最中は夢中で楽しいのですが。。

  安い値段を付けられたニットを見ると悲しくなります。 せめて、買った服は大事に着たい。 もっと自分の時間が刻まれた服を増やしていきたいな、と思えます。 三國さんへの親近感と、「編み物修学旅行」がとても良かったのもあり、2022年、本格的に文字だけのエッセイ本が発売されるということで、すぐさま読ませてもらいました。 三國さんの半生を綴ったとも言えるエッセイ本。

こちらは、三國さんのこれまでの人生を綴った物語です。 どんな子供時代だったのか。 編み物との出会いや、大学生時代の思い出 結婚出産、そして編み物でお金をもらうことになったきっかけなど。 三國さんは文学少女だったそうで、文章がうまいです。 エピソードから感じたのは、三國さんが自分の欲望に忠実で、清々しいことです。 1人の女性が、自分に誠実に向き合い成長していく物語として読み応えがあります。   なんとなく往年のフランス映画っぽいです。

字子さん
字子さん
この本を読んで、フランソワ・トリュホー、クロード・ド・シヴレー原作、クロード・ミレール監督の「小さな泥棒」1988年(シャルロット・ゲンズブール主演)を思い出しました。

  80年代の映画ですが、女性の思春期や成長記を、包み隠さずリアルに描く映画をそれまで見たことがなかったので、衝撃だった記憶があります。   この本を映像化したら面白いと勝手に思いました。 どなたかぜひチャレンジしてくれないかな。 私は特に「23歳」というエピソードが大好きです。

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