[経験者が語る]人生でいちばんお金のかかる、必要のなかった『家・結婚式・起業』について
これは経験談である。
筆者が、実際に経験した事例の中から、人生の上で必ずしも必要のなかったコトやモノを紹介する記事です。
これから経験する人たちに向けての一つのアドバイスになれば幸いです。(先輩風です)
その中で、人生における最もお金のかかる3大要素、
『家』『結婚式』『起業』について、をお話したいと思います。
この3つは、私にとって不要でした。
これらに費やした、パワーやお金や時間が戻ってくるなら、戻したいくらいだ。と、今なら冷静に言えます。
とはいえ、一つだけ、メリットがある。
それは、実際に経験できたことです。
その経験が、お金と比べた時に、果たして相応だったのか。
それをこの記事を通して、みなさんに感じて欲しいことです。
実際に、お金を費やすには、簡単じゃないからです。
それに、一歩間違えると、人生が終わる可能性がありますから。
人生でいちばんの浪費と足枷が『家・結婚式・起業』だと思う。
生きていくコトの中で、お金のかかることはたくさんあると思います。
日々の生活費もコストですが、人生の節目で立ち会わなくてはならない三大要素が、
家・結婚・仕事だと思います。
私のケースについて、言い換えると以下のようになります。
- 都内に一軒家を建てた(買った)こと。
- 盛大な結婚式をしたこと。(自分比)
- 会社をおこして代表になったこと。
人によって、微妙に変わってくると思いますが、だいたいの柱は似てくると思います。
住まいを『持ち家 or 賃貸』にするのか、
結婚式を『する or しない』のか、むしろ結婚そのものを『する or しない』のか、
会社を自分で『つくる』のか、or 人の会社に『就職する』のか。
選択が、人生になりますし、選択でお金の使い方も変わってきます。
そして、全ては、コストですし、足枷(あしかせ)です。
私の事例は、一見すると大層立派に見えるかもしれないですが、私自身が今振り返って、キッパリと言える事は…全ては幻想で、ハリボテだったのではないか。と言う事です。
しかも、よりコストとデメリットが余計に大きかったにすぎません。
それは『見栄』とも言い換える事ができるかもしれないし、世の中の流れに流されまくっていただけなのかもしれません。そして全て不要不急だったのではないかと思うのです。
全ては、心の弱い自分が、夢見たことだったのかもしれない。
周りに流されてきたようにも、世代のレースだったような気もするのです。
順に、説明していこうと思います。
私の拙い経験談よりも、分かりやすい書籍があります。時間のあるひとは、こちらを読んだ方が刺さるかもしれません。
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
足かせ1. 都内に一軒家を建てた(買った)こと。
今、悩んでいる人がいたら絶対にやめた方がいい。と、全力で心から言いたい本心が、家を買わない事です。
家を買うのは、本当にやめた方がいい。
重要な事だから二度言います。
そして、それは人生最大の足かせになりやすいからです。
結論から言うと2択ならば、迷わず賃貸をオススメします。
そして、どうしても家を持ちたいならば、東京や首都圏ではなく、地方で家を買うことをオススメします。値段の桁が違うからです。
本題に戻ります。
なぜなら、未来は変わるからです。
その理由を説明していきます。
周りで同じような場面を迎える(家を買いたい)人たちに対して、私がいつも言う言葉が『やめた方がいい』です。
それでも、多くの人は、この声に従わず、人生に博打をかけます。
今、博打を打とうと考える人の耳には、届かないのです。まるで聞こえない。
自分もそうでした。
家を買おうとした時に『やめよう』という小さな声に耳を傾ける事はしませんでした。
それなのに、『買えるものなら、買いたい』と願ってしまう。
それは、根本に、住まう場所さえあればなんとかなる。という、不安を払拭する「勘違い」のような感情があるからだと思います。
家を購入した一年後に『東日本大震災』が来た。
実際に、私が経験した事の一つがこれです。
3.11です。東日本大震災。
初めてお会いするクライアントと、初めての打ち合わせをしている時でした。
四谷にある雑居ビルの3階で、面と向かって席についている時です。
ドンと大きな縦揺れの後に、横揺れが、ぐらりぐらり。
席を立って、カバンを持ったのは、私だけでした。クライアントの二人は、そのまま話をやめようとしなかったのです。完全に狂っているなと思いました。仕方なく、打ち合わせを終わらせて、すぐに会社に戻りました。
今思えば、この辺りから、東京で生活する事の『不自然さ』を感じ始めていたのかもしれません。
上述した通り、未来が変わりました。
未来の予測は、立ちません。未曾有の事態が起こってしまったのです。
挙句の果てに、前代未聞の『放射能漏れ』。
私たち家族(当時1才の子供と妻)は、早々と、この事態の不測を感じ取って、建てて一年しか経っていない新築物件を売りに出すことに決めたのです。
確実に持ち家が、足かせになった瞬間でした。
家は売れない
家を売り出そうと決めたものの…自体は深刻でした。
家は売れないのです。しかも、売値と買値の差が埋まりません。
家を建てたい人や欲しい人の心理で考えると、解ります。
一生に一度になるかもしれない大きな買い物をするときには、自分のわがままな想いを詰め込みたいと思うのが普通。
と言うことは、誰かが作った家は、個性の塊なのです。
世の中のニーズに適合しない事の方が、多い。のです。
なので、物件を建てるのではなく、買いたいと考える人は、
出来るだけ個性的な物件ではなく、自分色に変えやすい家を、なるべく安く買いたい心理が働きます。
とはいえ、こちらは全財産をはたいて、購入した物件です。
毎月の支払いローンもある。
建てた側の心理は、安くすることができないのです。
両者の想いが平行線のままで、とてもマッチングには、いたらない。
家を売るのに2年以上かかった。
売り手と買い手が、マッチングしない物件が、売れたのは、およそ2年後でした。3年かかったかもしれない。
プロフェッショナルに相談したいけども、できない時間だけが経過します。
親身になってくれる不動産屋はいない。と思った方がいいです。
と言うのも、不動産屋というビジネスは、特に何もしなくても、借り手がいれば、存続できるビジネスです。つまり、駒になる物件数が確保できれば、そのほかの事はどうでもいいわけです。
親身になってくれるわけがない。笑
今だから、冷静に振り返りできますが、下手すると身動きのできないまま精神が崩壊しかねない状況だと思います。
決め手は、たった一つです。
値段を下げるしかない。
ほとんどの家は、値下げしないと売れない
結局のところ、シンプルですが、買い手の望むボーダーラインまで、値段を下げるしかない。という事です。
他に方法はありません。
そのことに、すぐに気がつけばよかったのですが、精神的に無理だと思います。
例えば、7000万で購入した物件を、1年後に自分の都合で、半値の3500万で売る勇気はないわけです。
私は、約6500万の家を購入しました。
家には外構工事というものがありまして、さらに貯金から300万くらいが飛びましたので、合計で6800万円の資金が投入されていました。
そのほとんどが、35年ローンを組んだ状態。
今思えば、よくそんな買い物をしたなと思います。が、全く将来についての不安がなかったのかもしれません。(きっと、考えていなかったのでしょう)
総予算6800万の家を、1年後に6400万円で売りに出しましたが、実際に見に来た人は5組いなかったと思います。
2年くらいずっと、そのままの金額で出していました。が、買いたいと悩んだ人もいなかった。
結局のところ、6800万円→約4500万円で売りました。
値段を変更して、3ヶ月くらいを過ぎた頃に、やーっと買い手が見つかりました。
それでも、その人たちが、決めてくれなかったら、次にみつかる確率は、ほどんとなかったのではないかと思うほどでした。
私のセンスと重なる、センスの人に出会える確率に、途方に暮れました。
たまたま見つかったのだと思うのです。それぐらい、ご縁というものを感じたのでした。
つまり、家を売る難しさを痛感したのでした。
果たして、35年前の環境や気持ちと同じ気持ちでいられるのでしょうか?
考えれば、すぐに分かるような気がしますが、買う時には気がつかないのです。
環境も、自分の気持ちも、変わると思いませんか?
もしかしたら、所有するという考え方そのものが、間違っているのかもしれない。昨今は、『シェア』するという概念が一般に浸透している。そもそも、地球という領土を人間が自分のモノにする事の厚かましさとおこがましさ。
そういう視点で、モノを考えられるならば、いっそ、シェアハウスに住んでしまう、という選択もありだと思う。高齢化した人が、晩年に高額で老人介護施設などに入れられることを考えるならば、その延長線上に、最初からみんなで暮らしてしまう。という選択肢もアリな気がしてくる。
信頼を育てていく事が前提だが、一人暮らしの段階からシェアハウスで暮らし、結婚しても、子供ができても許される環境を作っていくのも、もしかしたら理想的な事なのかもしれない。
私がよく聴いているpodcastのパーソナリティの人は、長らくシェアハウスに住んでいます。同居人には、子どものいる人もいて、その子どもにおこずかいをあげたり、ゲームをしたり、皆で温かく見守って育てているような感覚がある…というエピソードを聞きました。すごく成熟しているし、自然にそういう環境ができている事に羨ましいと思いました。
子ども視点で考えてみても、核家族化している世の中で、親が教えてくれない、いろんな悪いことを教えてくれた、かつての『特別な親戚のおじさん』がいない環境が多くなっている気がするのです。そういう存在をシェアハウスで相互に作用しながら人間関係を作れるのは、小さなコミュニティとして、素敵だなと思うのです。
足かせ2. 結婚式をしたこと。
間違わないように、あえて言うと、『結婚』そのものは素晴らしい体験でした。
だから、今、結婚について悩んでいる人がいるのならば、是非とも真剣に前向きに『結婚』を考えて欲しいと思うのです。
私は、結婚肯定派である。あなたの背中を押したい。
しかし、本題は、『結婚式』である。『式』の方。
本当に、式は、必要だったのだろうか。
振り返ると、式もそれなりにやってよかった感があるが、それは、今更、お金をかけて実行したわけだから、良かったと言わざるを得ない心理が働いているに過ぎないと思う。
心の声に、耳を傾けるのならば…
あえて結婚式を行う必要があったのだろうかと、疑問になる。
パートナーと、反省しているが、あのお金で旅にでも出れば良かったよね。素直に思う。
ビジネス的に、やったほうが良かった。…は、やはり言い訳に過ぎない。
もしも、結婚式をやるならば、ミニマムに抑えるべきだと思う。
きっと結婚式は、見栄
心理的に、私たちは、30歳を過ぎる時に結婚をしたせいか、
周りに式をあげる人が、タイミング的にも加熱していた。
そのせいで、相乗効果的に、あの人がやったのだから。的発想が強かったように思う。
結果、100人を優に超える会場で、白金の八芳園で400万円くらいの規模で、結婚式を行いました。
結婚式は、たった1日で終わる。
かつて、1日で400万円を使ったことがあっただろうか…。
人様にもわざわざ関わってもらい、着飾ってもらい、足を運んでもらい。100人を超える人のその日の経済効果はいくらだったのだろうか。ものすごい浪費だと思う。
まさに若気の至り。(今の若い人は、しっかりしている人が多いから、こんな事しないだろうなと思いますが)
結婚式は、呼び呼ばれ、お互い様の文化だけども、本当にやる必要があったのだろうか?
別のことにお金を使った方が、経験値が上がらなかっただろうか。
・ミニマムに家族だけで式を行う事
・余ったお金は別の経験『自己投資』に使う事
足かせ3. 起業したこと。
今、私は、東北最北端の県で暮らしている。
実は、人生で、ここに来て暮らすとは、微塵も考えていなかった。
東京で暮らし、東京で生活し、東京で結婚し、東京で家を建て、東京で起業し、ずっとずっと、そのまま暮らして、いずれ死ぬのだと考えていた。
それが、今、私は、家族と、北国に住まい、生活をし、仕事をしている。
今は、フリーランスとして、仕事をしている。
東京では、就職した。次に独立してフリーランスになった。
その後、起業した。代表取締役になった。およそ8年会社を続け、社員も少しずつ増えて10人になった。どんどん規模が大きくなっていった。
しかし、人生、何が起こるか分からない
私の人生は、3.11を境に変わった。
何が、人生を変えるか分からない。
何かが、自分の身に起きた時、方向転換したい時に、すぐにできない事がある。
その足かせが、家であり、会社だったのです。
家を購入したことも、
会社を持つことも、
どちらも、その後の決断を鈍らせる条件となりました。
しかしメリットもある。
会社がある事で、自分一人では足りないパワーを補い合うこともできる。有休を使えるのも、組織じゃないと無理だと思うのです。
しかし、メリットとデメリットを天秤にかけた時、果たして、どちらが自分にとって必要なのか。
今、思えば、およそ8年間の会社化した時間は、私には必要なかった気がしてならない。
あの、8年間をとり戻せるならば。そう思うことが、多々ある。
とはいえ、その8年があるから、今の自分が存在しているとも言える。(押し問答のようですが)
しかしその8年で、多くのモノコトを無くし過ぎた気がするのです。
『自分が自分としての能力を存分に発揮できなかった8年間』は、とても痛い。
会社化した事で、代表取締役をやらなければならなかった。
一番の損失は時間である。
私はもともと、技術者だ。
しかし、会社化してからは、次第に技術者としての時間を奪われ、代表者としての役割をするようになっていった。技術を磨く時間が減ってしまったのである。
そのことは、今、考えると、ものすごくもったいない。
結果、今、移住後、私は、個人として仕事をしているし、会社化する理由が全く見当たらない。
今更ながら、考えると無駄だなと思うのがオフィスである。会社という組織にするためには、やはり皆が集まって働くオフィスが必要になってくる。と考えるのが、これまでの思考だったと思う。
しかし、昨今のコロナ騒動で、もはやオフィスはいらないんじゃないか?と考える事が増えた。あれほど無駄なモノはない気がしてくる。月額40万円以上のサブスクと考えるとおぞましい。そういえば、知り合いはいち早くから、レンタルシェアオフィスなるものを借りて、いち早く活動していた。お茶も出してくれるし、打ち合わせがある時だけ使うから便利だと話していた。ずっと賃貸するオフィスも考え物だ。
レンタルオフィスにしてしまう手段
(ぴったりのコワーキングスペース・レンタルオフィス)当然、組織で働く人の人数に寄るところだが、今のような状況になると、再考した方が良さそうである。前時代のフォーマットは、かなり無駄が多いように思えてならない。変革の時がきている
結論: お金は大事に使おう
2020年、前代未聞の『コロナ』によるパンデミックが起った。
大一波は過ぎ去ったかのように、今、少しずつ社会が復帰を試みているが、まだまだ終わっていない状況が続いている。
今、まさにあの時(3.11の時に私が直面したように)と同じような、決断する時がきている。
ますます、上で述べたような『家』『結婚式』『起業』には、神経質になってくる時代だと思う。
・家をわざわざ建てたいと思う人も少なくなってきているのではないだろうか。
・結婚式も、ソーシャルディスタンスを考えた上での『遠隔型結婚式』の傾向が増えてきているとニュースが報じていた。
・起業する云々の前に、既存の会社が立ち行かなくなって、倒産したり、働き方そのものを変えていくような施策が次々に生まれている『在宅ワーク』や『ZOOM会議』などなど。それに伴って、社屋をやめてしまう企業も現れている。
これからは、もっと、お金の使い方そのものに、意味を問うような、事が多くなってくると思う。
筆者も、先日、悲鳴をあげた印刷会社によるクラウドファンディングに初めて、お金を投じてみた。それに、コロナによって難しくなったライブ活動の新しい『無観客ライブ』にも投げ銭と呼ばれる募金をしてみた。
共感型の支援や、自分が生きる経済圏への投資に、お金を使いたくなる動きが増えそうです。
間違っても、人生の足かせになるような、お金の使い方をしないでください。
この記事が、どこかの誰かの参考になれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
私の拙い説明よりも、もっと分かりやすく、充実した話がまとめられている本があります。
それがこれです。
大きなお金を使う前に、ぜひ読んで欲しい1冊です。