東京にいる時、すでに核家族化していたので、盆や正月の風習に触れることがなくなっていた。
お盆と聞けば、もはや自由に休むだけの夏休みのイメージになっていた。
風習のふの字も、微塵も感じない暮らしをしていた。
十和田に移住して、田舎で暮らすようになってから、
生活の中に組み込まれた風習にたくさん触れるようになった。
年寄りと暮らすメリットの1つだと思う。
あぁ、ぼくは日本人なのだな。とか
青森県人になっていくんだなと感じる。
ここで、よそからきた人間として、違和感がある新鮮なうちに、
青森県の特に南部地方のお盆に見られる風習を紹介したいと思う。
その1、お供え物をその場で食べちゃう問題
これは、結構びっくりした。
お墓参りに行った時の出来事であった。
家から、お菓子やら、果物、ワンカップ(お酒でなくビールの時もある)煮しめ、ご飯?といったものを、風呂敷に包んで持って来る。
ここまでは、全国的に見ても同じような風習だと思われる。
お線香をあげて、手を合わせて、拝んだあと、全員が終わると、その儀式が始まる。
お供えしたものを、みんなが手に取り、配り出す。
好きなモノをチョイスして、その場で、口にほうばるんですね。
なんだか、宴会が始まったようにも見える。
沖縄の墓場は、宴会ができるような間が付いていたり、屋根が付いていたりするが、それに似たものを感じた。
カラスに食べられる説もあるかもしれないが、
それなら、いっそ全部家に持ち帰ってから食べればいいじゃんと思うのだが、
やっぱり、墓の前で食べ尽くすのは、
ご先祖さまといっしょにという意味合いが強いのだと思う。
ウチだけなのでは?と思ったが、
周りのご家族も、ご先祖さまの前で、口をもぐもぐ動かしていました。
その2、仏壇の前のトコロテン?
仏壇の前に、見慣れない、とぅるとぅるっっとした奇妙なモノがあった。
それはおなじみの線香の横に。
母に尋ねると、どうやらこれは、鏡天と呼ぶモノとのこと。
昔々は、鏡をお供えしたらしいが、とても高価であったために、
その鏡の代用として、ところてんを供えた。
その風習が今でも残る。
今なら、鏡くらい、100円ショップで売ってるちゃうのん?と、
ツッコミを入れたが、義母は、はにかんでいた。
それがこちらです
皆さんの故郷では、どんなお盆の風習があるのでしょう。
普通だと思ってたら、案外、それ独特の風習の可能性アリですよ?