この2年くらいだろうか。
コロナ禍といわれていた時代から、わたしたちは『散歩』をよくするようになった。
それは今でも続いていて。 ささやかな習慣になっている。
朝、出会う人は同じ人で、それは東京の通勤時間に似ている。
同じ車両で、いつも会う顔。でも名前は知らない。
犬を連れて散歩する人。 ラジオをつけて散歩する人。
意外と小雨でも小雪でも、顔ぶれは変わらない。 そして景色も。
3月末でもまだまだ寒い
【白鳥が頭上を飛んでいく八甲田を背に】
この時期がやってきた。
春の前触れだ。 鳴き声が聞こえてくる。 姿を探す。 声の方に顔を向けて。
白鳥の団体が空を横切っていく。
初めて、この姿を見た時、それはもう、感動した。
地球の息吹みたいなものを感じたし、 本来の惑星とは。みたいな腑に落ちた。
自分たちも、動物なんだな。 ちっぽけな一員なのだな。とか。
目の当たりにしたスケールに、自分が小さくなる。
この一面の水田が作り出すロケーション。
水田は人工物なのだけども、最低限、自然を担保してくれている行為なんじゃないかと、思ったり。
あちらこちらから、白鳥が頭上を通過していく。
地平線が見える、この十和田の大地が好きだ。
今、我が子が、この水田を横切って、通学している。
相方も昔は同じように。 このシチュエーションが、郷愁をつくっている。
この景色は、後何年、見てられるのだろうか。
この土地を離れて暮らす、十和田の人、近い景色を知っている青森の人、 都会で頑張っている勢の、活力になるといいな。
とどけ。