[美術系進学]美術系大学受験についての進路相談。デザイン・アートへの道どうすればいいの?高校からで間に合うの?
そろそろ、こどもの進路のことを考えたい親御さんやご自身で迷われている方。
高校から美術系進学を希望した場合に頑張れば、間に合うのでしょうか?
なんとなく、昔から、『美術』や『音楽』、『デザイン』に関心があると思った時、どうすれば、いいのか?
間に合います!
しかしながら、コツのようなモノがあるので、美術や図工が好きな人が目指すべき進路について。大学受験の前に知っておくべきこと。を、筆者の経験談とともに、お伝えしたいと思います。
その前に簡単に自己紹介です。こんにちは、字と図という者です。
筆者は、生まれも育ちも東京。
現在は移住して8年目の青森で、デザインを生業に20余年のキャリアです。
ここ数年、美術畑で育ったわたしが、進路について相談されるケースが多くなっています。
地方では、希有な進路であるため、なかなかどうして進んで良いか分からないのだと思います。
もしも、自分のお子さんやご自身が、美術大学や美術系に進むには、どうしたらいいのか。
わたしの経験値と、おすすめをここに書いておこうと思います。ので、参考ください。
それでは、早速。
とはいえ、早ければ早い事に越した事はない。
とはいえ、進むべき道を決めるなら、当然、早い方がいい。
これは、当たり前のことですども、決めるならば、早いに越したことはありません。
わたし自身が、進路を確定したのは、高校2年の終わり頃でした。
友達の家に遊びに行った時、その兄の部屋を覗いたのが、刺激となりました。今でも、その時の衝撃を覚えています。
それまで、漠然と美術系に進めればいいなと、安易に考えていたのだが、
輪郭がはっきりしたのが、その友達のアニキの部屋だったのです。
それまでの高校生活では、バスケ部に在籍。バンドも少しやっていた。
のですが、受験に向けて、人生をシフトしました。
まずは、バスケ部を辞めて、美術部に入りました。
仲間がいたので、クラスメイト含め3人で、決意表明しました。(仲間がいたことも、グッと、やる気に繋がったと思います)
美術は、好きだったし、それまでもそこそこ美術の成績も良かったので、(美術の)先生に事情を話してお願いしました。
すると、多摩美出身の先生は、快諾し、デッサンを教えてくれたのです。
学校が終わると、3人で放課後は、美術部に行き、隅っこで、デッサンをしては、先生に見てもらいました。
先生の協力があってのことで、本当に感謝しています。
日々の生活の中で、まずできることからやる!事です。地方だと、デッサンを教えてくれる場所も、簡単に見つからないので、美術教師や近場の美術大学出身の人に教えてもらうのが近道です
初めての夏期講習で美術系予備校へ
高校3年の夏に、初めて予備校の夏季講習に行くことにしました。
この時期になると、少し焦りが出てきますので、自分のレベルを確認する上でも、予備校に行くことをお勧めします。
実は、美術系を志すには、現役で、何もしないで入るのは相当に難しいのです。
普通大学ならば、科目がありますよね?国語、数学、理科などなど。
美術系大学の場合は、国語と英語。に加えて、実技のテストが存在します。それが、デッサンと平面構成です。その二つを教えてくれるのが、美術系予備校です
誰も教えてくれないのだが、美術系の大学受験用の予備校が存在する。
都内近郊で有名なところが数カ所あります。
それが、東京武蔵野美術学院(むさいん)、水道端美術学院(どばた)、新宿美術予備校(しんび)、埼玉美術学院(さいび)などなどである。
関東圏ならば、受験に落ちた人は、予備校から上京する人もいるぐらい、専門的な技術を学びます。
私は、高校時代、埼玉県の高校だったので、大宮にあるサイビに通いました。
高校3年の夏季講習ではギリギリ
実は、3年の夏季講習からでは、ギリギリすぎる感が否めない。
通ってから気がついたのですが、早い人は、中学時代から、予備校に通っている人もいるのです。なので、高校3年の時点で腕前が雲台の差になっていて、愕然としました。
とはいえ、半年で、メキメキと上達して、見事現役合格する者も、確かにいる。の事実。センスと努力が高められれば、合格することもできます。
そして、、ここで立ちはだかる問題がある。
藝大か私大か。である。
と、思うかもしれないのだが、
要するに、大学の試験の内容が、藝大か私大かで変わるのである。
どちらにするかの基準は…
とにかく学費を安くしたい→ 藝大
とにかくトップを目指したい→ 藝大
とにかく美術を目指したい→ 藝大
逆に考えると、私大になる。
とりあえずトップは自信ない→ 私大
お金はかかるけども美術やデザインを学びたい→ 私大
とにかく現役でも可能性の多い受験をしたい→ 私大
予備校にもコースがあるのだ。
つまり、藝大か私大かによって試験の内容が異なる。その試験に合わせた、適した学び方を習得するのである。
当然、藝大を狙う方には、うまいのがゴロゴロいる。
私は、迷わず、私大系コースを選んだ。
それは、行きたい学校が藝大ではなかったから。とも言える。
アートや工芸なら迷わず藝大がいいかも。
その年、その年で、大学も、非常勤の講師が入れ替わります。どの講師に教えて欲しいのかが、重要な気がします。
日本の美術系大学について
ここで、豆知識として覚えて欲しいことがある。
藝大や私大の色々について、ひとまず、こんな学校があるよ、というのを覚えておくといいです。
藝大(東京藝術大学)
藝大は、東京芸術大学のことである。
日本の美術系大学のトップである。
東大のようなものだ。
国営なので、授業料が極めて安い。
私大2強
私大には2強がある。
多摩美術大学(たまび)と、武蔵野美術大学(むさび)である。
続いて東京造形大学(ゾウケイ)、女子美術大学(ジョシビ)。
続いて、大学じゃないが、専門学校で、桑沢デザイン研究所があり、一目置かれています。(大学を出て入り直す人もいたりする。造形大学の姉妹校)
できるなら、ここに名を連ねた学校に入学することをオススメします。
他の学校を揶揄するつもりは全くないが、その理由は、やはり、講師陣にある。
東京に事務所を構える第一線で仕事をする先生たちが、指導にくる学校が、学ぶには最適であるからだ。
そう言う意味では、地方でも、出来るだけ人口の多いところにある美術学校が望ましいのかもしれません。
お金から見ることも大事
ところで、私立なので、授業料が恐ろしく高い。
私がいた当時、授業料は、年間180万円代だった。それに施設費(エアコン代)として、さらに20万。合計約200万円でした。
さらに、地方から上京する人には、プラスで家賃と生活資金がかかる。
およそ家賃7万円+生活費5万円=12万円。×12ヶ月。×4年である。
ここまでで、嫌になる人もいるかも知れないが、一般的な人が目指す就職に興味のない人や、道に外れている人が、美術系大学を、目指すケースは多い。
私もそんな一人である。
参考までに…私の場合
しかし、私は、親が片親だったこともあり、『そんなお金はありません』とキッパリ。大学受験を断られた。今考えると、仕方のないことだったが、当時は相当に凹んだ。
なんとか、周りの親族に支えられ(仕事などの面で)、学費は自分でなんとかする方向で、大学卒業することもできた。
しかし、それは、夜間部と言う選択ができたからだった。
18才から上京(埼玉県から東京へ)して、働き、一浪する形で、多摩美の夜間部を受けた。夜間部なので、平日は18時から授業が開始する。
しかも、当時、夜間部は、世田谷区にあった。ので、立地的にも、素晴らしく、一仕事終えてから、授業に出ることが可能だった。
それから、多摩美の授業料は、大学に掛け合って、12ヶ月払いに分割してもらった。それから、奨学金制度も活用して、月に48000円借りることにした。こうすれば、ギリギリ、なんとかなる。日雇いの力仕事のアルバイトも結構やった。
人学年に、約120人くらいの生徒がいたけども、親からの支援がない僕のような生活をしていた人は3人くらいだと思う。
それぐらい、ガッツが必要だけども、親がいて、仕送りや学費ができるならば、普通の学生生活が送れると思う。なんとかなる!
つまり、何になりたいのか?何科を選ぶのがいいのか?
こんなにも、お金がかかり、本当に将来、職に就くことができるのか…
答えは、YESでもあり、NOでもある。
私の場合『グラフィックデザイナー』になりたいことが、ある程度決まっていた。
近くに、憧れの対象である『おじさん』がいたからである。
そういう、モデル(人物像)がいると、夢も明確になってくると思います。
一口に、『美術』と言っても、たくさんあるのです。
日本画、洋画、油絵、版画、工芸(工芸の中にも、彫金、彫刻、漆、染色、織物…)様々である。
ここで、なんども言うように、再度、念を押すと、
誰に何を学びたいか…である。
誰に何を学びたいのか、を模索することで、近道が見えてくるはず。
作品をみて、その作品は誰が作っているのか、そのルーツを探ることでも、教えて欲しい人が見えてくる。
ずるいことに、母校には、有名なクリエイターの先生がわんさかと講師陣に名を連ねた。例えば、プロダクトデザイナーの深澤直人、アートディレクターの永井一史、インターフェースデザイナーの中村勇吾、それから俳優・劇作家・演出家の野田秀樹などなど。と行った時代を牽引してきたトップランナーに近くで教えてもらうことができる。人生経験として、これ以上のことはないと思うのです。個人的には、人気バンド「くるり」の岸田繁さんが先生を務める京都精華大学にも興味がある。東京藝大ならば、ビートたけしや『教授』と呼ばれている坂本龍一さんもいる…大学って、楽しいところです。
大学を選ぶ、予備校でコースを選ぶ、ことの参考にしていただければ幸いです。
多様性は大事!。
個人相談窓口のお知らせ
遠隔での相談を受け付けています。
- こちらのお問い合わせページ、からお問い合わせください。
- または、こちらのメニューから『ご相談』をお選びください。
個人相談(約1時間〜、@2000円)で承っています。
大学はこの限りではありません。
地方にも、優秀な大学は存在します。
岐阜県のIAMASや
山形の東北芸術工科大学など
京都の京都造形大学などなど。
面白そうなところはたくさんあります。
ただし、歴史のある古い学校のメリットも確かにあります。
それは、卒業生の数の多さです。
の社会に出てから、得をすることの一つに、有名大学の、つながりはやはり存在します。
横の繋がりですね。
母校が同じであることのつながりは大きい。
多摩美出身と言うだけで、その恩恵にも、ちらほら出会うことがある。
地方にいると、それはかなり顕著で、先輩後輩に出くわす機会がある。単純にありがたく、嬉しいものです。