トイレ本に最上の一冊。
わたしは、無類の本好きだけど、そのひとつに『トイレ本』というカテゴリがある。
つまり、用足しに入るわけだが、その際に『ちょうどよく適した時間に読める短編集』が、それにあたる。
このちょうどよさってのがミソなのである。
この本は、トイレに入ったはずの私を、遠い見知らぬ国に誘ってくれる。
へたしたら、トイレから出られなくなるかも。ぐらい面白くなってしまうこともある。
だけども、大概は、お国ごとにまとめられているので、ちょうどよい頃合いに終わりが来てくれる。
さて、ハネムーンに10年?というタイトルにもびっくりだけども、
実際にお二人の経験談であるという事実がすごい。
本当のおしどり夫婦っていうのは、この二人のことを言うのではないかと思う。
読み物としても、ご夫妻それぞれの段落があり、ふたりの別々の目線で読めるのがまたユニークだ。
温度差がかなり笑えるのだ。
しかし、問題も自転車で乗り越えていくのだから、夫婦とはおもしろい。
先日、TVを見ていたら、いきなりこのご夫婦が現れたものだから、驚いた。
あぁ、こんな人たちだったんだぁ。となんだか感激してしまった。
(京本政樹氏と柳沢しんご氏と一緒に出ていた)
とにかく、タンデムという二人乗りの自転車そのものがユニークだが、
読み進めていくほどに、彼らを愛さずにはいられなくなる。
そんな彼らが、およそこれから行くにはほど難しい国々の風やらにおいを運んできてくれる、
この本は、かなりの良書である。
私たちJItoZUも、いつか挑戦してみたいなと思う。(1カ国だけでもね)