大げさかもしれないが、美味しいパンを食べてしまった輩には、切実な問題だ。
なくとも、命には別状がないのだが、何せ、口が憶えている。
『あぁ、うまいパン食いたい』
衝動が募る。
どこにいけば買えるのか。
調べるも、ない。無念。執念も届かない。
スーパーで売られているパンで、急場をしのぐも、もう一人の自分が耳元でささやく。
『これじゃぁ、ない』
いっそ、パン屋でも始めてしまいたいが、無理だ。冷静になるのだ。
仕方なく、まずは“自家製”に決めた。
とりあえず、ホームベーカリーを見立てるところから。
お次は、材料。
酵母はケチらず、うまいものを奮発。白神酵母を。
さてと、出来上がりはまずまず上々。
焼きたては、ほんとに美味しい。
『ないモノは作る』は基本かもしれないと、あらためて思うのであった。