この歳にして、初めて気がついたことがある。
むしろ、知ったつもりになっていたのだ。
海苔には『オモテ』と『ウラ』がある。
ってことは、私も知っていた。のだが、
その、てかりのある“つやつや”がある面と、“ざらざら”の面のことについて、事件は起こった。
本題はここからである。
私は、これまで、自然と、ざらざら面を上側にしていた。
ご飯茶碗の頂上にひょいとそれをのせて、
箸の両脇から挟み込むように、包んで簡易『のり巻き』にして、
お醤油にちょんと付けて、口に運んでいたのだった。
なんの疑いもなく。
しかし、真実は『逆』だったのだ。
外側に向けるのは、むしろ『裏』の方だったのである。
てかりのある、平滑な面。
つるつるのぱりぱりの方を外側にして、
ざらざら面をご飯にあたるようにして巻く。
これが正解だったのである。
ある日の『手巻き寿司』の日、
私はそれに気がついた。
今しがた、食べていた海苔が売り切れ、
違ういくつかのメーカーの海苔を引き出しからあさってきて、
『湿っている』だの、『こっちのが厚い』だの、言いながら、
少しでも美味しくいただける方法を模索している時だった。
試しにいつもと『反対』に巻いてみたのだ。
数十年も、もったいないことをしたなぁと。
幾千の食卓にあがってきた『海苔』たちよ。
あの、海辺の旅館で食った味付け海苔だって。
オモテとウラ。
この永遠のテーマとも言える2択。
歯切れの良いパリっとした食感。
ぜんぜん違うモノですね。
たかが海苔、されど海苔。
深いものがあります。
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調べたところによると、
ざらざら面:オモテ
ツヤツヤ面:ウラ
だそうだ。
これは海苔をつくる過程で、
簀〈す〉(すだれのような、ござのような道具)に敷いた時に、
接着していた面がツヤツヤ(平滑)になるようだ。
太陽があたっている面の方をオモテと呼んでいるらしい。
*
余談だが、ググッていたらこんなモノがでてきた
26年度日本一おいしい海苔hp
でも売り切れ…その店の商品はAmazonでも購入可